「エモい」文章が書きたい。人の感情を揺さぶるような文章。出来事をただ伝えるのではなく、筆者の経験、日頃の考えを交えて紹介する文章。ささいな出来事でもその人が伝えることで価値が生まれる。一杯ごとに味や香りがまったく違うコーヒーのように、その人にしかかけない文章。

 私が得意なのは、出来事をそのままの形で伝えること。そして、複雑な話を理解して「それはつまりこういうことだ」と要約すること。伝えるという目的の達成のために、そこには筆者の意図や感情は、極力入らないように注意している。もちろん、意識していてもいなくても、文章の切り口やその文体に筆者の個性が表れるものではあるけれど。

 はんたいに私は、自分の感情を出す文章は書けない。書こうとしても、なかなか筆が進まない。「エモい」文章は、この延長線上にあるのだろう。

 身の回りの出来事を色彩豊かな表現で記すさまは憧れるし、できるようになりたいとも思う。しかし私には難しい。自分の思ったことをそのままさらけ出すという行為に、抵抗感を感じるのだろうか。それを考え始めたら心の深いところをえぐりとる気がして、この文章の続きが書けなくなりそうだ。

 このタイプのライティングが得意な人は、きっと自分の人生を深く見つめてきた人なのだろう。私も自分なりにあがいて、いつか深煎りのエモを書けるようになりたい。

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